太陽光発電システムは、太陽光を電気に変える太陽電池モジュール、直流電流を交流電流に変換するパワーコンディショナー(略称:パワコン)、発電量や余剰電力を表示する売電用電力メーターなどの機器によって構成されます。オムロン株式会社は、環境関連機器・ソリューション事業としてパワーコンディショナーを製造・販売しています。オムロン製パワーコンディショナーは、住宅向けの屋内用・屋外用の単相パワコン、三相で小容量パワコンを分散設置するストリング型の連結パワコンがラインアップされています。一例として、屋内用は容量4kW、5.5kWの2機種があり、変換効率は各々96.5%、96%を実現し、大きさは460×280×155mm、550×280×171mm、重量は約16.0kg、約19.6kg、騒音は30dB以下で室内での設置・運転を考慮した仕様となっています。
太陽光発電は日照不足により発電量が減少するという課題があります。解決策として、太陽光パネルを増設し総発電量を増やす方法があり、オムロンではパワコンの入力電流および入力電圧を拡大し対応しています。今後オムロンはパワコンの低価格化に加え、太陽光発電システムとガス発電システムで共用可能なハイブリッド型のパワコンを開発し、2020年までにバッテリーパリティ(太陽光発電+ガス発電システムの発電コストが売電価格と等価になること)の実現を目指しています。FIT法(再エネ特措法)が改正され、2017年4月より事業者には「適切に点検・保守を行い、発電量の維持に努めること」の義務付けと、送配電事業者から要求される送電量の抑制への対応が必要になりました。
オムロンは前者に対して、監視・発見・維持・回復の4フェーズでパワコンの状態を管理する体制を構築しており、後者に対しては、出力制御をインターネット経由して指示できるパワコンを開発しています。